アメリカ生活

試合の勝敗よりも“態度”優先。アメリカ少年野球の“いじめ”に対するコーチの対応

先日息子が参加しているアメリカの少年野球チームでトラブルがありました。

チーム内でいじわるな言葉をかけてしまう子がいたことをきっかけに、コーチが全員の親に向けて、「いじめやリスペクトを欠いた言動にはどう対応するか」という具体的なルールを共有してくれたのですが、その対応が素敵だと思ったので紹介したいと思います。

“ナイスプレー”より大切なこと

先日行われた息子の野球チームの試合で、『もしかしたら逆転できるかも!』という局面で、打席に立った子が三振をしてしまいました。その子は今まで一度もヒットを打ったことがなかったのですが、三振した彼に対して、

 

なんでいつもヒット打てないんだよ!

 

と同じチームの別の子が非難したんです。

コーチはすぐにその子に注意。その後、その非難した子は自分の打席で失敗した時に、悔しさから物に当たる様子も見られたそうです。そのためコーチは「チームでの態度も大切だよ」と伝え、次のイニングはその子を試合に出場させませんでした。ちなみに彼はチームの中でもかなり上手な子なんです。

結果、その日は負けて試合が終わりました。

その日の試合後、コーチは勝ち負けやプレーのことではなく、スポーツをするうえで「どんな態度で仲間と向き合うか」について、時間をかけて子ども達に話をしてくれました。

うまくいかなくて悔しいのはわかるけど、不機嫌な態度をとるのはやめよう。失敗するのは何も問題ないけど、不機嫌になっていたら何も学べないよ

試合に負けたからといって、チームメイトを責めることは絶対に許されないよ。みんなで協力して戦うのがチームなんだから、誰かのせいにするべきではないよ

と話していました。そして翌日、コーチからチームの保護者全員がいるグループチャットに以下のメッセージが届きました。

先日の試合で、子ども達がいじめにつながるような言動をしている場面があり、とても懸念しています。こういったときに私が今までコーチとして取ってきたルールを共有します。もし次にそういった場面を見た場合、次の対応をします。『1回目は警告、2回目は親と一緒に話し合いながらイニングを休む、3回目はその日は出場せず応援に回る』

というものでした。すごく徹底した対応だなと思ったし、この対応をすぐに保護者にも明確にしてくれたことに安心できました。

子どもたちを支える“大人たちのチーム” 

そしてコーチからのメールの最後は

As they say for raising children, it takes a village.
子どもを育てるには村全体の力が必要

という言葉で締めくくられていました。これは子育てでよく使われる言い回しで、みんなで協力して子ども達を育てていきましょうという意味があります。

コーチのメールからは、野球が上達することだけが目的じゃなく、スポーツを通して子どもたちの心の成長をサポートしたいという想いが伝わってきて素敵だなと思いました。子どもたちだけでなく、大人たちもみんなで協力して“チーム”になっていくことが、子育てにはとても大切なんだと思います。

このメールを読んで、私も改めて息子にこんな話をしました。

 

誰だって失敗はするし、いつでも上手くできる人なんていないよね。大谷選手だって打率は3割くらいなんだから70%は失敗してるんだよ。一生懸命やってる人のことはチームみんなで応援するべきだと思うから、チームメイトには応援する言葉をかけようね

 

息子にはもちろん野球が上達してほしいけれど、それ以上に「チームプレイってどういうことか」「リーダーシップって何か」をスポーツを通して感じてくれたら嬉しいな、と思っています。

スポーツで学べること

コーチが子ども達に話している内容は親の私の方も考えさせられることがたくさんあります。

You can’t control the pitcher’s fire, but you can control your attitude.
相手のピッチャーのやる気はコントロールできないけど、そこに挑む自分の態度は自分でコントロールできるよ。


勉強でもスポーツでも、うまくできればそれでいいというわけじゃなくて、どんな態度や姿勢で取り組むかもすごく大事ですよね。息子を応援しながら私までいろんなことを学ばせてもらっているなと感じています。

他にもコーチの素敵な声掛けやエピソードを、コラムでもご紹介しています。是非そちらも読んでみてください。

失敗しても負けてもOK!? 一生モノの教訓になる子どもがミスした時のアメリカ流声掛け

 

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